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二週連続で汗臭いエントリーですw

何しろ今年の10月は3週連続で陸上系の大会が続くという過密スケジュール。
一週目の大会はここには書かなかったけど、全宮古の学区対抗陸上競技会。
ホントは学区で選抜された選手の大会なんだけど、うちの方の田舎は選抜するほど選手がいないので、希望者は誰でも出られる。
そこで10000mを走って記録的惨敗、ブログに書く気にもなれず封印ww

二週目は例のエコマラソン。

そして今回のトライアスロンというわけで・・・大会前一週間禁酒を宣言している僕としてはかなり辛い1ヶ月だったのだ。

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天気予報はきわどかったけど、この快晴!
選手じゃなくても、こんな海をみたら飛び込みたくなるんじゃない??

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トライアスロンの大会は、去年に続いて二回目の挑戦。
今回の宮古フェリー杯は宮古島からフェリーで20分くらいの離島、伊良部島で行われる小さな大会。
参加者は約70人。県外からの参加者もいるが、ほとんどは宮古島の選手。
その名の通り、宮古島~伊良部島航路をつなぐ「宮古フェリー」という会社がスポンサーだ。
だが、来年1月に伊良部大橋が完成するため、宮古フェリーはなくなってしまうそうだ。

トライアスロンはメジャーになってきたとはいえ、まだまだ競技人口もマラソンに比べれば少ないし、競技の流れを理解している人も多くないはず。
まぁわかってる人には読み飛ばしてもらうとして、まずはちょっとした予備知識など書いてみようと思う。

まずは距離。
今回の大会は「オリンピックディスタンス」などと呼ばれる組み合わせで、
スイム1.5km、バイク40km、ラン10km
その名の通り、オリンピック競技としてのトライアスロンの距離である。

ちなみに、宮古島スポーツ大会の目玉、全日本トライアスロン宮古島大会は
スイム3km、バイク155km、ラン42.195km
トライアスロンの最高峰とも言われるアイアンマン・ハワイは
スイム4km、バイク180km、ラン42.195km・・・らしい。
まさに鉄人。

超長距離走という意味ではマラソンと似ているが、トライアスロンは装備が極端に多い
順番に書き出してみると・・・

☆スイム装備☆
ウェットスーツ
ゴーグル
キャップ

☆バイク装備☆
バイク本体
ヘルメット
バイクシューズ
グローブ
給水ボトル
サングラス(ランと共用)

☆ラン装備☆
ランニングシューズ
キャップ

その他に靴下、ゼッケンベルト、ジェルなどの補給食品、擦れ予防のワセリン、日焼け止め、海水OKの時計、バイク工具などなど・・・
好みで省略できる物もあるが、とにかくたくさん。
これらを、与えられた自分のスペース内で、競技切り替え(トランジット)の際に手際よく取り出せるように配置しておくのだ。
ちゃんとやっておかないと、スイムからバイクに乗り換えるときに「あれ??サングラスはどこだ!?」とかなったりして、無駄なタイムロスを生じてしまう。

ウェアはほとんどの選手がトライウェアを着用している。
3種競技すべてで共用できる作りになっている。
つまり、水着(ウェットスーツの下着)であり、バイクに乗る際のパット(お尻保護)が入っており、かつ、そのパットもランの妨げにならないようにバイク専用ウェアより小型になっている。

タイム計測はいろいろなパターンがあると思うが、今大会では、リストバンド式のチップを箱形の計測器に当てて記録する方式。
スイム終了時、ランスタート時、最終ゴールの計三回、計測器にタッチしなければならない。
大規模大会だったら渋滞が起きてしまうが、この人数だとちょうどいいかもしれない。

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スイムではゼッケンを付けられないのでこういう感じになる。
これ書いてもらうと、トライアスロンやるぞーって気分になるのは僕だけじゃないはずw

ちなみに今大会の三大目標
○総合タイム2時間45分
○総合順位トップ10
○打倒M選手

トップ10っていうとスッゴイことみたいだけど、小規模な大会なので必ずしも不可能ではない・・・はず。

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さて、そうこう準備をしていると、ライバル到着。
来たな、M選手。
彼は僕よりも一つ後の船で到着したようだ。
先週のエコマラソンでは僕が逃げ切ったから、顔には出さないけど相当悔しかったはず!
今回も勝ちきってやるぜぇ~

でも実はトライアスロンではちょっと僕が不利。
M選手は前述の全日本トライアスロン宮古島大会の経験者。もちろん完走。
トライアスリートとしては僕よりも先輩なのだ。
噂ではスイムが得意でバイクが苦手とか。
ランは僕といい勝負だと思うけど、エコマラソンでは僕が勝ったし、スイムの借金をバイクで返せれば逃げ切れるんじゃないかという打算でいくことに。

午前十時。いよいよスタート!


YOMEが動画を撮ってたので見せてもらったら、けっこーおもしろいw
へぇ、外からはこう見えるのか-。

トライアスロンのスイムは序盤が大変。
集団がばらけるまでは混戦になるからだ。
顔を蹴られてゴーグルがずれたり、息継ぎをしようとしたら平手打ちをくらったり。
泳力に自信がない場合は後方スタートが無難と言われている。

僕は溺れない自信はあるが、スピードは全然出せない。
だってスイムはほとんど練習してないもの・・・(^^;
でも目標を高く設定してしまったから後方スタートもイヤで、無謀にも上位陣に突っ込んだ。
もっと酷いことになるかと思ったが、去年の大会(数百人規模)に比べて人数が少ないせいか、混戦ダメージは想定以下。
そして、思ったほど後ろから迫られない。
あれ?俺、意外と速かったりする???

スイムコースはスタート地点の砂浜と二つのブイで作られた三角形。
一周500mを3周する。
一周するごとに一度陸にあがらなければならない。

一周目が終わって砂浜を駆けながら前を見ると・・・お。半分よりだいぶ上位だぞ。
このままバイクにつなげば10位狙えるんじゃないの~?
でもやっぱり簡単にはいかない。
海には波があり、加えて僕は右側でしか息継ぎをしない泳ぎ方だから、どうしても方向がずれやすい。
ちょっと集中力が切れたときとか、気づいたら明後日の方向に泳いでたりする。
蛇行運転を繰り返して、それなりにタイムと体力を浪費した。
とはいえ、三周終わって時計を見ると、26分台。
出来過ぎなくらいだ。

走りながらウェットスーツを脱いで、計測器にタッチして、洗面器で水を浴びてトランジットへ。
実は走りながらウェットを脱ぐのはなかなか大変。
特に僕のやつはファスナーがついてないセパレートタイプだから、なかなか上が脱げない。
力任せに引っ張って破れたりしたら大きな散財になるのでそれも困る。
脱ぐのが遅れると水浴びポイントで立ち往生。
(水浴びして海水を流しておかないと、皮膚から水分を取られて後で苦労するらしい)

やっと自分のバイクにたどり着くと、ちょうどM選手がバイクをスタートするところだった。
おお。この時間差ならいけるぞー。
ここはスポーツマンらしく爽やかに声をかけておこう。
「バイクで追いつくから待っててね(はーと)」

トランジットは大忙し。
ウェットを脱いで、足の砂を落としてバイクシューズを履いて、ヘルメットをかぶってサングラスを付けて、ゼッケンベルトを装着して、グローブは面倒だから素手でいくことにして、給水はバイクに乗りながらすることにして・・・
トランジットが長引けばその分は丸々タイムロスだから焦る。

とりあえず大きな不手際もなく、バイクスタート!

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そのころ子供たちは、海水浴にかき氷に、旅を満喫していた模様。
天気良かったから楽しかっただろね~

さて今回のバイクコースは直線を3往復しての合計40km。
急坂というほどではないが、そこそこの起伏がある。
坂は好きではないがそこそこ得意。
うちの近くは宮古島で特に坂が多いエリアで、そこをいつも走っているうちに強くなったんだろう。

バイク1周目の往路半ばあたりで、トップ走者とすれ違う。
おお。あれはまさしく我がチームのエース、S部長!!
連覇宣言してたからなー。
お。つまりここからすれ違う選手を数えれば、自分の順位がわかるわけか。
2,3,4・・・10,11,・・・お!みつけたぞM選手!!
結局数を数えるのに集中できなかったので確信はないが、僕の順位は14番目くらいのようだ。

上り坂でペースダウンしている選手を一人、また一人拾って、1周目往路ではついにM選手も捉えた。
「お先に☆」と軽く声をかけたが、どうも気づいてなかったようだ。
このままガンガン順位を上げて・・・といけるほど甘くはなかった。
後方から何人か、恐ろしいスピードで抜いていく選手が。
やっぱりいるよね。スイムはだめだけど、バイクは鬼!みたいな選手・・・

ちなみに、このレースは僕らの感覚からすれば短距離に入る。
だからペース配分とかあまり考えずに、自分が潰れない(と思う)ギリギリのペースでひたすら漕ぐ。走る。
つまり、抜かれたからといって簡単にペースアップはできないのだ。
だって最初から自爆ギリギリでやってるんだもの・・・

バイクの終わりを意識し始める3周目の復路。
最初のランナーを発見。
やっぱりS部長!しかも後方に選手は見当たらず、ぶっちぎりのようだ。
それにしても揃いのユニフォームで出るのは楽しい。
一目で仲間とわかるし、すれ違う度に声をかけあったりして元気をもらえる。
一緒にがんばってる感じがいい。

空は雲行きが怪しくなってきて、今にも雨が降り出しそう。
だがランに入ってしまえば、むしろ雨はありがたいくらいだ。

二度目のトランジット。
バイクをラックにかけて、ヘルメットをキャップに替え、バイクで使いそびれたジェルを握って出発!
ランパートのみ、水分補給のエイドが設置されているので、エイドまでガマンしてそこで水と一緒にジェルを流しこもうという作戦。
しかし走り出してみると、足は残っているのだが、肺と心臓がからっぽになった感じ。
自分の身体が風船みたい。
まあしょうがない、トライアスロンのランはきっとこんなもんだろう。
と自分を説得して走る、走る。
目標のキロ5分はちょっと厳しい。時計を見ると、目標タイムまで55分くらいある。
キロ5分半までなら間に合う計算だ。
よし、そのラインを死守する方向で行こう。

エイドステーションでは知った顔の人たちが水を配りながら応援してくれている。
みんなアスリートだが、今回はボランティアとしてこの大会に参加しているのだ。
エイドだけでなく、スイムの誘導や安全監理、交通整備など、運営全般がアスリート仲間のボランティア。
彼らを差し置いて選手として参加している以上、恥ずかしい姿は見せたくない。
声援にはできるだけ笑顔で(ひきつってたかもしれないけど)応えながら走る。

1kmがやけに長く感じるようになったあたりで折り返しの5kmポイント。
折り返して何分もしないうちに、寒気が・・・
M選手。なぜこんな近くにいる???
だいぶ離したと思ってたのに・・・
いや、ここは冷静かつ爽やかに・・・
「お~、M選手!だいぶペース上げてるね-(ドキドキ)」

そして残り3km地点前後。
回転数高めの軽快な足音が聞こえて振り返ると・・・デタ—-!!!
あの距離を詰められた以上、ここで踏ん張るのは厳しい。
でももしかしたら彼も限界で、ペースが落ちる直前かもしれない。

こうなったらッッ!!君が落ちるまでッッ!!ペースを上げてやるッッ!!(ジョジョ風)

はい。ムリでした。
こっちがペース上げても、M選手のペースには届かず。
ああ・・・三大目標のひとつが・・・
M選手はさらに前を走っていた選手も抜いてどっかいってしまった。

後ろが気になったが振り返ってみても誰もいない。
あとは潰れずにこのペースを維持してゴールを目指そう。
10位に入るかはわからないけど、13位には足りるはず。

さて、いよいよラスト。
残り1km付近。
再びふと後ろを見ると・・・誰もいなかったはずのその距離に、赤い影が。
ヤバ。あのひと、俺より速いぞ、絶対。。
ゴールに近づくにつれ、沿道の応援からも「追いつかれるぞー」というのが聞かれるようになってきた。
ゴールテープが見えたあたりでまた後ろをみると、もうその差は10mもあるかないか。

最後の力を振り絞って、ゴールテープに飛び込む!!
やったぞ!!振り切った!!
・・・はずだった。

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資料1「カメラ判定」

M選手を超える猛追を見せた赤い選手。
ゴールテープを切ると、その勢いでそのまま10mくらい向こうまで行ってしまった。
ま、、負けたのかッ!?
・・・!
真のゴールはここじゃない!!
計測ッ!!計測器だッッッ!!!
ピコーン。

この間約1秒。
周りからは失笑が・・・
あれ?マズかったか???
「赤い選手!計測忘れてますよ!!僕より先に早く!!」って言う・・・いや、言わないな、うん。
僕自身頭の中空っぽで身体が勝手に動いた感じだったし、自然な流れだったよな、うん。
こういうの何て言うんだっけ?
勝負に負けて試合に勝った?wwww

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はい、お疲れさん。

結果
スイム:26分38秒
バイク:1時間23分9秒(2回のトランジットを含む)
ラン:53分38秒
総合タイム:2時間43分7秒
総合順位:10位

あー。上出来。
ちなみにM選手は8位、差は2分弱。

最後の赤い選手はラン単独順位1位の強者だったようだ。
速いわけだ。。

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レース後。体を冷ましながらM選手と談笑。
次の対戦は那覇マラソン。
負けられぬ。

さて。手前味噌だがこの一年でずいぶん速くなったものだ。
最近までは
「細く長く、やめずに続けるのがおっさんアスリートの醍醐味さ」
みたいに割り切って考えていたのだが、成績が上がるとなんだか少し欲が出てくる。
もしかしたら表彰台は雲の彼方じゃなくて、跳べば届くくらいのとこにあるんじゃないか?とか。

ま、何にせよボチボチやりますかね、キツイ練習でも。


おまけ。
ウェットスーツを脱ぐのに必死な僕を撮りながらYOME爆笑。