ども。sassyです。
なんか最近定番になりつつある、「書こうかなー、書きたくないなー」という気分で、やっぱりレースレポートを書こうと思います。どうも長年の習慣か、書かないとふんぎりがつかないようで。
今回のたらま島一周マラソン(23.75km)、察しの通り、バッドレースだったわけで(グッドレースだったら喜んで3日以内に書く)、しかもそのバッド加減の中途半端で地味でスッキリしない感じがまた、書くのをためらわせたのである。
先に結果から申し上げると、総合4位、タイム1時間49分。比べて、昨年が総合3位、タイムは1時間51分。1年かけて、一分半ほどタイムを詰めたが、順位は一つ落としたという結果。
総合4位!すごいじゃない!というご意見もあるが、これは都会のマラソン大会とは違って、選手60名程度の規模、しかも宮古からさらにフェリーで3時間という土地柄、「勝ちに来てる」タイプの選手が極めて少ない大会。この一年、真っ当な社会人ならドン引きするほど、ランニングに 魂を捧げてきた人間として、表彰台すら逃したのは、無念の一言である。
見どころ少ないレース展開だったが、ざっくり解説してみたい。
スタートは正午。
この大会は、大半の選手がフェリーで当日入りするため、船の到着を待ってスタートする。この時点で、選手への心遣い、ウェルカム感がすごくて、「去年はありがとー!今年も来たよーー!」と叫びたくなる。港には村営の無料シャトルバスがお迎え。歩ける距離なのにw それから役所で ゼッケンと支給品を受け取って、着替えて、準備体操して、開会式見て、アップして・・・というゆとり具合!これぞ、ザ・離島大会だと思う。
号砲と同時に、何人かの選手たちが飛び出し、先頭集団ができる。10人には満たない。スタートはオーバーペースで始まるのがマラソン大会の定番だが、あえてくっついて行く。今年の大会、昨年の1位、2位が不在の上、知名度の高い(つまり速い)宮古選手がほとんどいない。選手の多くを 宮古人が占める大会である。昨年、タイムは平凡でも、3位に入った自分としては、もしかして優勝を狙えるのでは、という希望的観測があった。だいたい、知り合いに顔を合わせるたび、「今年は優勝できるぞ!」なんて言われるもんだから、ついその気になってしまう。
が、数々の失敗レースの経験から、序盤のオーバーペースはとにかく避けたい。後半で追い上げるのが自分の勝ちパターンでもある。序盤に飛び出した選手の内、1kmほどの間に、僕の前を走っているのは5人まで絞られた。最初の500mほどは、3分30秒台/km。これは僕にとってはスプリントペース。
押さえて押さえて、と自制して、最初の1kmは 4分6秒まで落とした。これでもまだ速いので、さらにもう少し落とす必要がある。そのパターンで追いつかないのなら、相手は手に負えない実力の選手だということだ。
数km進む内に、僕の前を走っていた選手がひとり落ちてきた。そうであろうそうであろう。このペースで走りきれるのは(この大会では)多くあるまい♪ ・・・が、ひとりだけだ。その一人前の選手とは、縮まる気配がなく、先頭で(僕には)無謀と思えるペースで突っ込んでいった選手は、 先導車のパトカーまで含めて、完全に視界から消えている。この時点で「あー、優勝のセンは薄いな」と思う。
気づけば周りに選手の気配はなく、はるか前方にかろうじて視界に捉えられる3位の選手がいるのみ。ときどき、沿道にFMみやこの実況中継ポイントがあり、通過する選手のゼッケンを確認しつつ、それをラジオで実況している。ラジオ放送は拡声器を通して、選手にも聞こえるようになっている。
僕が通過したとき、「4位の選手が通過!!トップとの差は約6分!!」というのが聞こえた。中継ポイントを通過するたび、その時間差は広がっていく。あーあ、追い上げるどころか、引き離される一方・・・
そして15kmが臨界点だったらしい。そこまで必死で耐えて、4分20秒~30秒ペースを維持してきたが(それでも遅いけど)、ついに横隔膜の硬直が来た。僕は不調時やオーバーペースでよく発症するが、いわゆる脇腹痛の一種だと思う。これはもう脚に釘がささったようなもので、ペースとか そういう問題でなくなってくる。タイムロスを覚悟して、一度立ち止まり、呼吸を整え、お腹をマッサージする。痛い。もうやめたい。もう3位の選手は見えない。だが、僕の後続もまた見えない。ここから完走して得るものは少ないが、リタイアして失うくらいのプライドはある。
とにかく、、やりだしたことをまとめるしかあるまい。
渋々走り出してはみたが、やはりペースは大きく落ちた。もう順位なんて、、と思いつつも、後ろが気になって度々振り返る。1kmが長い。なんでこうなっただろう、なんて考えても、なんの足しにもならない。そうやって、意識朦朧としながら、なんのご褒美も期待せずにじりじりと走り続け、、どうにかこうにかのゴール。抜かれずに順位をキープしたのは、ただのラッキーだったと思う。あーー。ボロボロだった。まぁ投げ出さなかったことだけは評価してもいいだろうか。
レース後の山羊そば(炊き出し)が旨かった。
その後に続く懇親パーティは大いに盛り上がり、いろんな人と飲んで(飲みすぎて)、楽しすぎて、何を話したか、よく覚えていないw 良い大会だと思う。
さて、レースから1週間ほど経ち、喪失感から立ち直りつつある現状でふと思う。いったアレはなんだったのだろう。その前のエコマラソンも含めて。いや、単純にカラダができてなかったとか、具合が悪かったとか、そういうことではない。戦い方の話だ。
我慢して我慢して、自分を抑え込んで、それで勝ったなら、それは結構。アスリートにとって、勝利は正義だ。が、負けた。我慢して我慢して、自分を抑え込むレースを展開して、負け。この無念さが喪失感を生んでいるのではなかろか。
どうせ負けるなら、やりたいようにやって、小細工無しで目一杯ぶつかって、やっぱりぶっ潰れて、それでも地を這う思いでなんとかゴールまでたどり着いて・・・の方がいいんじゃないのか。
いや、少なくとも、自分の、僕自身の生き様だったんじゃないのか。ランニングに限らず、そうやって半生を過ごしてきて、今の自分があるんじゃないのか。賢く、堅実に、保険をかけつつ・・・という現代人的な人生観を嫌っていたんじゃないのか。
安定感のあるランナーに憧れてきたが、開き直ってみようかと思う。レースの3回に2回は潰れてもいい、でも残りの1回で必ず自己ベストを出す。そうだ、このスタイルでいいんだ。思えば、かつて麻雀でもそういうスタイルだったっけ。そしてそれって、結構ライバルから恐れられるのよねw
6日後に、今シーズン前半の勝負レースと位置づけた、NAHAマラソンが控えている。今シーズンは、どうやら心身ともに出来上がっていない以上、無難にまとめる走りをするしかないと思っていたが、変更しよう。玉砕前提で、自己ベストを狙う!そして、たとえ潰れても、完走だけはする!
よく、「次につながるレースをしろ」というが、僕にとっては、コレがそうなんじゃないかと思う。
なんだかスッキリした。今日はよく眠れるかも。ではおやすみなさい。