ども。sassyです。
エコマラソン玉砕から1週間、連戦で多良間島。あの惨敗で自分のコンディションの悪さを確信したので、今回のレースは、勝負よりもコンディションと自信回復のための練習と割り切っていたのだが・・・。なんか棚ぼた3位!?レースレポート書きますw

朝10時半ごろ、現地入り。この大会ほど、「島をあげて」運営しているマラソン大会を知らない。まず、入島手段が、宮古島からの飛行機orフェリーのみ。島内には、宿泊施設があるが、数は多くない。だから、前泊せずに出場できるように、フェリーの入港を待って、大会スタートなのだ。そのフェリーも、通常ダイヤよりも1時間早く出る。フェリーは、多良間海運の「たらまゆう」一隻のみ、通常は一日一往復のみ。そのダイヤを変更するのだから、すごい。

スタート&開会式会場は、地元小学校グラウンド。子どもたちもショート部門で参加(たぶん強制?)。子どもたちが整列して先生の話を聞いている傍ら、トラックでアップ。僕は例の故障の痛みが残っているので、温めておかないとマズい(温まればほとんど痛くない)。

ご当地キャラの「たらぴん」と記念撮影w 多良間方言で、ヤギのことを「ピンダ」というから、そこから取ったネーミングだろう。手にはサトウキビ。後日書くつもりだが、ほんとに多良間にはヤギが多い。宮古にもいっぱいいるのだが、多良間はまた「多い」と感じさせるものがあるのだ。

このタンクトップ&ショートパンツスタイルも、最初のうちこそ「これで遅かったら恥ずかしい」と思っていたが、慣れてしまえばなんでもない。ランナーにとって機能的なスタイルなのだから、初心者でも採用すればよいと思う。

11時30分、号砲。僕が参加するAコース(最長)は、23.75km。半端な距離だが、多良間島をキレイに一周することを優先したコースなのだろう。

今回の自分のテーマは、「キレイなペース走&最後はオールアウト」。タイムや順位はおいといて、終盤までペースダウンせず、余力があればラストスパートで使い切り、背伸びしないで現状なりのベストレースをすること。とはいえ、スタート直後はやや突っ込み気味になり、上位10人くらいの集団の後方につける。1stラップは4分26秒。これは続かないはずなので、調整調整・・・

この数週間、宮古エリアは夏日だ。多良間も例外ではなく、最高気温は28度くらいになる。そして、11時半スタートという特性もあり、猛暑レースとなる。好調期ならば、たかが23kmと思うところだが、最後に20km以上を走ってから、1ヶ月半が経つ。油断すれば先週の二の舞になる。実際、10kmも行かないうちに、かなり苦しい。「こんなはずじゃない」というのは聞き飽きた。これが今の自分なのだから、それに見合う走り方をするのみ!

大先輩にしてライバルのFM宮古先輩が写真を撮ってくれた。彼は今回、選手ではなく、メディアの取材者として。多分走りたかっただろうにw

12kmあたりを半分と見て、そこからペースをあげようと思っていたが、どうにも上がりそうもない。現状維持がやっと。はいはい、しゃーねーなぁ。ラスト5kmからスパートできるのを期待しよう。自分の走りには不満だったのだが、反面、かろうじて視界にいた前方選手たちとの距離が、少しずつ詰まってきていた。ふむ。暑さでダレてきたか。キープで走り続ければ、面白いレース展開になるかもなぁ。

そうやって地味にしぶとく走っているうち、女子トップの選手が落ちてきて、ついに後方へ消えた。彼女は大会5連覇のツワモノ。彼女の走りが乱れているというなら、キープできてる自分はそう悪くなさそうだ。

地味なアクシデントもあった。イヤホンが突然断線。今回、180以上のピッチで走るというテーマがあったので、スマホ&ワイヤレスイヤホンでメトロノームをしていたのだ。うーん、180BPMはまだ身体に染み付いてないから、メトロノームなしだと乱れるぞ。。だが立ち止まってスマホいじりしてるほど暇でもない。しかたなくイヤホンをポーチにねじ込んで走る。あとでわかったのだが、イヤホン側がバッテリー切れしたらしい。スマホ側は気にしてたのに、なんという不手際。

メトロノームが壊れたので、GPSウォッチでケイデンスを確認しながら、フォームとスタイルを崩さないよう走る。ひとり抜いて・・・ずっと走って、、、またひとり。地味地味とそれを繰り返して、視界に捉えていた選手はあと一人。白シャツの彼は目立たない感じだったが、淡々と安定して走っているようだった。彼がエイドで水を飲んで立ち止まったときに、一気に詰めて、並んだ。僕は23km程度なら補給は水だけで十分、立ち止まらずに紙コップを2つ受け取り、一つを飲んで、一つを頭からかぶって走り続けていた。エイドのあとすぐに、僕は白シャツ選手を抜いて、前方に出た。急いで引き離そうとは思わない。長い時間をかけて追いついたということは、相手が落ち目で、こちらに余力があるという証拠なのだから、キープしていれば引き離せるはずだ。

が、白シャツ選手は違ったようだ。抜いてから数分で、再び僕の前方に立ち、そのまま100m以上引き離してくれた。オイオイ・・・勝負根性むき出しだなぁ。絶対順位は譲らないつもりかぃ。ま、こちらはうしろからヒタヒタついていますぜ♪ 

残り数kmとなったころ、救急車のサイレンが聞こえた。選手が倒れたか??いや、島のオジイが心臓発作か??しばらく走り続けると、コース前方数百mで、サイレンが再始動して、救急車が走り去ったようだ。コース上ということは、上位選手が誰か倒れたのか。この暑さでムリをしすぎて、耐性を超えてしまったか。

残りは2kmを切った。白シャツ選手との距離は相変わらず100mくらいある。崩れない。うーむ、勝負強い。残り時間で彼を差し切るのは困難だな。いやまぁ、今回のテーマからすれば、そこに執着することもあるまい。表彰台かかってるわけでもあるまいし。

いよいよ残り1km、島の外周道路から中に入り、ゴール(スタート会場)を目指す。そして、のこり700mくらいと見たところだろうか。あろうことか、白シャツ選手が突然立ち止まった。足をパンパン叩いている。あ。痙攣だ。間違いない。よりによってこのラストで、動かなくなってしまったのだ。すまぬ、白シャツ選手。勝負は非情だな。お先に。

残りは数百m、ものすごく長く感じる。FMみやこ先輩が、報道車から叫んでいる。「サトシ!ラスト500、走れ!!すぐうしろが迫ってるぞ!!」。さすが、あの白シャツ選手は、耐え難い痙攣からも、まだ僕を抜きに来ているようだ。振り返る余力などない、こちらも最後のリミッターを外して、フォームもピッチも知ったことか!!とラストスパート。偉大なライバルであるFMみやこ先輩に、これほど応援してもらってはここで負けるわけにはゆかぬ。

残りは100mか200mか。役場前にある実況台が見えてきた。あそこを曲がれば数十mだ。会場アナウンスが聞こえてきた。「Aコース!3位の選手が帰ってきました!!」

は???3位???意味不明。いや、ホントに3位なのか??まぁいいや、それはゴールしてみればわかるから。。。なんとか、走りながら吐きそうなのをこらえて、ゴール!そのままアスファルトに倒れ込んでしばらく朦朧。

完走証をもらってみると、ホントに3位らしい。やれやれ、練習と割り切っていたのに、レースと勝負の醍醐味を、酸いも甘いもめっちゃ満喫しちゃったなw もちろん、実力で勝ち取った感はない。タイムも自分的に速いとは言い難い。トップ争いの選手が救急車に乗り、白シャツ選手の足が攣ったからこういう結果になったわけで。だがまぁ、勝負とは得てしてそういうものかもしれない。

小一時間座り込んで、シャワーを浴びに。立ち上がった左足が激痛!くっ、足底筋膜炎め。だがお前の痛みがフェイクだというのは知ってるぞ!本物ならば、冷えてからじゃなくて、スパートしてる最中にくるはずだからな!足を引きずって、荷物を受け取り、ランシュから下駄に。下駄は足底筋に優しいのだw シャワーを浴びて会場に戻ってくると、ちょうど表彰式とのこと。

まさかの下駄で表彰台www いやいや。小さなローカル大会で、棚ぼた的入賞とはいえ、表彰台はうれしい限りだ。多分、役場の方々にも、「下駄のひと」で覚えられたことだろうw 運営、選手、応援、関わってくれた皆様、ステキな大会をありがとうございました。

今シーズン開幕二連戦。なんとか雪辱を晴らす形となった。課題は山積しているが、2ヶ月後のワイドー100kmマラソンはベストコンディションで臨みたい。今週からはウルトラモードだ。60km走とかを定期的に組み入れていこう。一番楽しい時期かもしれないなぁ。

あらためてこぼれ話は書こうと思うので、またよろしくです。
では。