ついにやってきた那覇マラソン。
今年最後のレース・・・
そして、今までで初めて、YOMEと一緒に参加するレース。

今回は大会1週間くらい前に、YOMEと子供たちだけ愛知へ帰省。
じいちゃんばあちゃんにしばらくちやほやしてもらってから、僕と那覇で合流、レースに出て宮古へ帰るという流れになった。
ちなみにレース中は、那覇に住んでいる友人が子供たちを預かってくれた。
去年まで宮古にいた駐在さん一家で、みぃのボーイフレンドのうちだったりするのだが・・・まぁそれはまた後日w

さて、那覇マラソン、噂には聞いていたけどハンパない規模にびっくり・・・!
参加者約25000人。
その身内やボランティアまで入れたら、会場にいったい何人いるのか。

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人生ワースト3に入るくらいのぎゅうぎゅう詰めモノレールで会場入り。

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見渡す限り、ひと、ひと、ひと・・・
僕が過去に出た大会は多くても5000人規模。
25000人とか、未知の世界。

大規模だからこその厳しいルールもある。
整列はスタート40分前までにしなければならない。
選手たちは、過去の成績や自己申告の目標タイムによって、スタート位置がA~Jまでのブロックに分けられる。
多くの大会ではこういうブロック分けはあっても、そこまで厳しくはしないのだが、今回のはボランティアやガードマンがきっちりゼッケンを確認、正しくないブロックに入ろうとすると、止められる。
ちなみに整列時刻に遅れると、強制的に最後尾スタートになる。
Bのゼッケンを付けた選手が、切ない表情で最後尾に向かって歩いてくのを見たりしたw

当然だが、スタート位置が後方になるほど、号砲が鳴ってからスタートラインにたどり着くまでのタイムラグが大きくなる。
僕のいたEブロックで3分弱、YOMEのいたJブロックでは30分弱もかかったらしい。

今回のレースの目標は・・・
①ネットタイム3時間45分以内
②後半でペースアップする走り
③ライバルのM選手に勝つ

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特に②は初めての試み。
高橋尚子らを育てた小出監督によれば、
「イーブンペースで走ろうとするのは、フルマラソンでは間違い。前半はタイム貯金ではなく、体力貯金をしなさい」
とのこと。
確かに今までのレースはほとんど、前半で作ったタイム貯金を後半で食いつぶして、どこまで赤字を抑えられるかという展開だった気がする。
マラソンは30kmからが苦しい。
30kmからペースアップとか、考えもしなかった。
この本は、どんな作戦を立て、どんなトレーニングを積めばそれが可能になるかが書かれていて、この一ヶ月はそのために吐きそうなトレーニングをやってきた。
作戦は、
0~20kmを5分15秒/km
20~30kmを5分10秒/km
30~40kmを5分0秒/km
40~ゴールを??(ラストスパート)

さてさて、思い通りにいけるかどうか。

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スターターは具志堅用高さん。
「ジョガーのみなさん、優勝と完走を目指してがんばって!」
・・・優勝できるのは一人ですけど。
スタート前の緊張感の中、笑い声が広がる。
(写真は友人のG選手が撮影)

スタートして3分弱、スタートゲートに到達してストップウォッチをオン。
最初の数キロは大渋滞するだろうと思っていたが、意外と5分台で走れるようだ。
ウォーミングアップにはちょうどよい。
無理の無い程度に遅いランナーを抜かしながら、少しずつ前へ。
そして10分も走らないくらいで、コースは有名な国際通りへ。
ランナーの密度はまだまだ高いのに、片側一車線のコース。
まっすぐ走るのが難しい。

が、沿道の応援がホントにすごい!
国際通りの歩道を埋め尽くすように応援団がいて、早くも飲み物や黒糖などを配ったり、子供たちがハイタッチをしたり。
ランナーにも応援にも仮装の人たちがいて、お祭り気分を盛り上げる。
「那覇は応援がすごくて、ホント楽しいよ~」
と聞いてはいたが、なるほど、その通りだなぁ。

国際通りを抜けると道幅も広がって、一気に走りやすくなった。
よーし、ここからだ、と、ペースを予定の5分15秒あたりにもっていく。

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さて、今回から投入した新兵器、GPSウォッチ。
ずいぶん前から欲しかったんだけど、家計状況も厳しいし、あと1年くらいはガマンしよう。。と思っていたのだが・・・
YOMEが帰省中、うちの母にも会っていて、その時にいろいろ話したらしい。
「お義母さんが時計買ってくれるって!いまスポーツデポにいて、お店の人はエプソンを推してるけど、それでいい?」
と、突然の電話。
一瞬状況が掴めなかくて「は??」って感じだったが、そりゃもちろんうれしい。
この年になって子供もいるのに、母親にプレゼントもらうとか、ちょっと恥ずかしい気もするが、好意はありがたくいただいておこう。
急いでネットでエプソンのGPSウォッチの性能をチェックすると、なかなか良さそう。
GPSの精度が高いこと、100kmマラソンの制限時間(14時間)以上電池が持つことが必要条件だが、どちらもクリア。

大会前日に軽くジョグでテストしてみたが、これはかなりイイ♪
今までは1kmごとの距離看板を通過するタイミングでラップを計測し、ペースを調整していたのだが、GPSウォッチがあれば、リアルタイムでペースが把握できる。
前半の飛ばしすぎを抑えたい、という今回のテーマにはピッタリだ。

話はレースに戻って・・・那覇マラソンのコースは前半は登り基調が続き、後半で下りに切り替わる。
傾斜はそれほど強くなく、登り基調の間にも小さく上り下りを繰り返す。
登りはペース維持に執着せず、下りはブレーキをかけずに軽快にペースアップするのを意識した。

10km以上走って、そろそろ誰か知り合いに会わないかなーと思ったが、誰も見つからない。
「宮古島トライアスロン部」のユニフォームも探してみたが、だめ。
うーむ、僕と似たペース設定をしてるはずのM選手にはどこかで会うと思ったのだが・・・
後で知ったのだが、M選手は例の最後尾スタートになっていたらしい。
知らなくて良かった~、レース中に知ってたら、多分タイムが何分か落ちてるwww

体調は良かったのだが、スタート前の待ち時間で少し冷えたのか、序盤から軽い尿意が。
沿道には多くの仮設トイレが設置されているが、どれも行列ができている。
5分とか待たされたらたまったものじゃない。
最悪、ゴールまで堪えてやる、と思っていたが、ついに空室のトイレを発見!!
約22km地点。
よく堪えた(^^;

後半に入って、予定通りペースアップ。
下りになるのも合わせて、かなりのスピード感。
ここまで水を2杯くらい飲んだだけで、ほぼ無補給、少し先が心配だったので、バナナを一本もらう。
結果的にこのバナナだけが固形物の補給となったのだが、これも今までになかった展開。

2ヶ月くらい前から始めた糖質制限食。
主食を抜いて、肉や卵ばかり食べるわけだが、これが良いらしい。
糖質に頼らない体質になるので、糖質補給がほとんど不要。
脂質(体脂肪)のエネルギー量は糖質の比ではないので、これを有効に使えるのは長距離アスリートにはすごい恩恵だ。
今回はそれに加えて、レース3日前からカーボローディングをやってみた。
制限していた炭水化物を積極的に摂るのだが・・・思い出してみると、ただのドカ食いだった気もするww
カーボローディングは、筋肉と肝臓にグリコーゲンを蓄積するのが目的。
欲張りなので、脂質とグリコーゲン、両方使えたらいいなー、とか思ってやってみたわけで。

この食生活は正解だったようで、走っても走っても空腹感がやってこない。
突然のガス欠が怖くて、とりあえずの補給はしてみたが、しなくても大丈夫だったのかもしれない。
水分と塩分だけは切らすとヤバイのでできるだけ摂るようにはした。

30km地点。
さらにギアを一段上げる。
20~30kmが下り基調だったので、それほどタイム的には上がらないが、運動強度としては確実にアップ。
30kmを過ぎると明らかにペースダウンしたり、歩いたりしているランナーも増えてくるので、片っ端からごぼう抜き。
ブリーフ一枚にボディペイントの台湾人ランナーはけっこー速かったけど、彼もいつの間にか後方へ。
だんだん息は苦しくなってくるけど、30km過ぎをこんなスピード感で走れるのはすごい爽快感&優越感!!
さすがだねー、小出監督ww

結局知り合いには誰も会えないまま、40km。
苦しいけど、もっと苦しい練習もあった。
まだ行ける!ということでトップスピードへ。
ラップは4分30秒前後。
足が重い。心臓が破裂しそうだ。
露骨にぜぇぜぇ言いながらも、どんどん順位は上がる。
残り1kmの看板を見たあたりで、少し涙が出そうになる。
あー。練習してきてよかったなぁ。マラソンやっててよかったなぁ。。。

ラスト100mで最後の最後のラストスパート。
こんなに走り切れたのは練習も含めて初めてかも。
タイムはネットで3時間37分。
順位は942位。
最後2kmの加速で3桁に入れたかな。
自己ベスト更新はもちろん、3つの目標も達成。
(M選手とデッドヒートできなかったのは残念かも・・・^^;)

さてさて、時刻は12時半を回ったあたりだが、YOMEはまだレース半ば。
彼女も2度のフルマラソンを完走しているし、若い頃の陸上部経験もあって、実力的に完走は問題ないのだが・・・
今回は練習を始めたのがかなり遅い。
さらにこの那覇マラソン、制限時間が6時間15分くらいと短めなのに加えて、スタート時のタイムロスを丸々かぶることになる。
実質的に、5時間半で完走するつもりで走る必要があると思う。

最初は、僕がゴールしたら少しコースを戻って応援に行こうかとも思っていたけれど、人が多すぎて動きにくいことと、僕自身ボロボロだったのもあって断念。
ゴール直後の完走メダル受け取りブース付近で待つことにした。
待つこと2時間以上・・・
「奥武山陸上競技場、閉門まで残り30分となりました」
ついにカウントダウンか!
この閉門に間に合わないと、ゴールのわずか数百メートル手前で強制リタイヤとなる。
うーむ、走ることに関しては根性あるし、きっと間に合うと思うが・・・
「閉門まで残り20分です」
ゴールしてくるランナーはどんどん増えるが、YOMEのグリーンのTシャツは見当たらない。
そして残り時間約10分、ついにメダルを受け取って出てくるYOMEを発見!!
おう!!間に合ったか!!いやー、よかったよかった。

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那覇マラソン、ステキな大会だった。
ファンが多いのも納得。
来年は民宿も始まるはずだし、出場できるどうかはわからないが・・・
絶対いずれまた走りに来よう。
よーし、40歳までにサブ3目指して走り込むぞ~~♪