久しぶりのレースレポートです☆

書きたいことや載せたい写真もいろいろあるけど、今回はとりあえず主観レポートだけ。
早く書いておかないと忘れるw

第六回エコアイランド宮古島マラソン|宮古島の民宿 あがりの宿さんさーら

第六回エコアイランド宮古島マラソン。通称エコマラソン。
暑い暑い夏が一段落して、このエコマラソンが長距離シーズンの開幕戦だ。
この後、伊良部トライアスロンや那覇マラソン、ワイドー100km、沖縄マラソンなどが続き、4月の宮古島トライアスロンで〆。

開幕戦はいつも少し戸惑う。
猛暑の中でのトレーニングが結果につながっているのか、徒労に終わったのか、まだ全然わからないから。
加えて、レース1週間くらい前から、太平洋上に2つの動かない台風が居座り、天候をおかしくしている。
暴風に近い強風、毎日変わる風向き、突然の雨や日照り。
いったいどういう作戦でどのくらいのペースで走れば結果が出るのか。
ギャンブルだw

サブ4以上を目指すなら、作戦はとても重要だと思う。
初心者や完走だけを目指す人は、マイペースで、ムリせず、足を潰さないようにゆっくり行けばいい。
でもタイムを狙うなら、自分の体力、脚力を余すことなく、効率的に、42.195kmのコースに投下しなければならない。
飛ばしすぎれば後半で潰れる。
遅すぎれば、後半で挽回できない。

今回は、3.5~4時間の目標。
走り出しは3.5時間達成可能なペースで入って、数キロ様子を見て、厳しいと判断したらペースを再設定するという考え。
3.5時間達成のプランは、20kmまでを5分10秒/km、30kmまでを5分0秒/km、そこから先は4分台というもの。
前半、無理なく、温存しながら5分10秒で走れるかどうかがカギだ。
少しでもキツイと感じたら、後半のペースアップが不可能だということだから、すぐに作戦を変更しなければならない。

さぁ、いよいよスタート。
ハーフマラソンとの同時スタートで、参加者は2000人弱。
スタート位置も自由なので、前から2割くらいの位置でスタンバイ。
あまり先頭に近いとオーバーペースに巻き込まれるし、後ろすぎると、ゆっくりな選手たちをジグザグに抜くので体力の無駄。

走り出しの渋滞はほんの数分。
すぐに5分10秒のペースに乗ることができた。
誤差の目標はプラマイ5秒。
こういうとき、GPSウォッチは便利だ。

体調は悪くなさそう。
いつもは低糖質食で走っているが、レース前限定のカーボン祭りの効果もあってか、エネルギーがあふれている感じだ。
ペースもきつくない。
心配していた風もそれほどではないようだ。
よしよし、3.5時間、狙ってやろう。

このとき既に判断ミスをしていたことに気づくのはずっと後のことだw

コースは市街地を抜け、港の前を通って、伊良部大橋へ。
今大会の目玉ルートで、この橋があるからこそ、参加者が例年よりも3~4割も多かったのだと思う。
だがこの橋、地元選手はみんな知っているが、実際に走るのはかなり過酷だ。
遮る物が何もない上に、海面からかなりの高さがある橋は、恐ろしいほどの風が吹く。
加えて、結構な坂もある。
そしてあまりにも景色が変わらないので、スピード感覚がおかしくなり、いくら走っても進んでいないような錯覚に陥ったりもする。

覚悟をしていた伊良部大橋だが、今回はそこまでヤバくはなかった。
風向きが横だったせいだ。
いつもは正面から吹き付けてくることが多いのに、ラッキー!!
前半最大の難所をムリせず抜けられる!

橋を渡ってコースは折り返す。
橋の途中で、トップランナーたちとすれ違うので、自分のおおよそのポジションもわかる。
すれ違う顔見知りのベテランランナーたちと声を掛け合いながら橋を渡るのも楽しい。

橋から戻り少し行くと、ハーフの選手たちはルートが別れ、競技場方面へ帰って行く。
ここからはフルの選手ばかりだ。
どんどん島を南下して、来間大橋へ向かう。
大勢のボランティアたちがエイドステーションで飲み物や補給食を用意してくれている。
特に高校生ボランティアたちは元気があって、こちらも楽しい気分になる。
「コーラ!!コーラありますよッッ!!」
野球部の子たちかな。
揃いのTシャツに坊主頭、腹から声が出ている。
だが、前半のエイドは極力パス。
喉が渇いた時だけ、走りながらコップを取って、できるだけ速度を落とさずに飲む。
もちろんゴミはゴミ箱へw
ストップ&ゴーで体力と時間を浪費したくない。
フルマラソンくらいなら、液体補給だけで大丈夫なはずだ。
塩分もレース前に、例の「ナトリウムローディング」で貯金してある。

距離は20kmに差しかかった。
ギアを一段上げるころだ。
最初の予定では5分0秒ペースに上げるところだが、若干きつそうだったので、+5秒修正。
速度アップには成功だ。
少し前を走っていた、タカヤ選手に追いついた。
おっ、彼について行ければ、かなりPB更新できるぞ♪
と思ったが、残念。
「僕、もう少し先でリタイアしますんで!故障気味なんで、半分走ったら抜けるつもりだったんですよ」
ぬぅ。
仕方ない。
ちょうど僕が走っているポジション、前後にライバルが少ない空白地帯のようで、折り返し付近でしか仲間たちに会えない。
彼と後半まで競り合えたら楽しかったのに。

来間大橋は最後まで渡らずに、橋の上で折り返す。
さあいよいよ競技場に帰るぞ!
という瞬間!
真正面からの爆風!!
すっかり忘れていた。
伊良部大橋で横風ということは、角度が約90度違う来間大橋では、真正面の風になるのだ!
マズイ。これはマズイぞ。
ペースは5分30秒まで落ちた。
とにかく橋を渡りきれば、少しはマシになるはずだ。
仲間の選手たちが折り返しに向かってくる。
「折り返したらスゴイ逆風だよー!」
とか声をかけるのは、自分の気を紛らすためかもしれない。

橋を降りていくらか風は弱まったものの、体力と気力を削り取るには十分な強風が続く。
友達からの応援にも、笑顔で応えるのが難しくなってきた。
30km。
もう一段ギアを・・・上げられない!
むしろ現状維持も困難。
ペースは6分に迫るほど落ちている。
逆風でどんどん体力と脚力が削られているのがわかる。

23番の女性選手が軽い足取りで抜いていった。
序盤で友達に教えてもらった。
彼女は宮古島の100kmマラソンで女子12連覇のヤマザワ選手!
前半では抜きつ抜かれつしながら近くを走っていたのだが、あちらはこの逆風でもペースが乱れないらしい!
うーむ。さすがの脚力だ。
僕も自分ではフルよりも100kmをメイン種目と考えている。
100kmでは、スピードや体力より、とにかく「足の頑丈さ」が第一だ。
潰れない足があってはじめて、その他の要素が生きてくるからだ。
今回のレースは強風とはいえ、たったの42km程度だ。
すでに足が潰れかかっている自分と、どんどん小さくなっていく女王の背中。
さすがだなぁ。でも悔しいなぁ。ちくしょう・・・

残りの距離が気になりはじめるマックスバリューのあたりで、YOMEと子供たちの姿がみえた。
この日は、朝遅めにチェックアウトするお客さんもいるので、間に合いそうだったら応援にいくということだった。

エコマラソン、爆風でボロボロ

エコマラソン、爆風でボロボロ

おいおい、死にそうだな、オッサン・・・w
どう見ても4分台で走れる姿じゃないなぁ

ペースはすでに6分半に迫るほど落ちている。
普通、ここまで落ちれば後続の選手たちがどんどん抜いていくものだ。
来間大橋では2kmくらいはリードしていたはずの仲間たちも、すぐ後ろに迫っているかも知れない。
後ろが気になって気になって、体力の無駄と知りつつも度々振り返る。
・・・誰もいない。
時々、ひとり、ふたりと、余力のある選手が抜いてはいくが、僕以上に疲弊して歩いている選手を抜いたりもするので、順位変動は少なそうだ。
みんなこの風にやられて、僕と同様にペースダウンしているのだろうか。

ん?レース中に後ろを気にするなって?
自分の走りができればいいだろうって?
楽しむことが重要???
僕はそうは思っていない。
レースで順位を気にしないなら、いつ気にするのか。
自分の身体と対話しながら、走ることそのものを楽しむ・・・そんなこと、いつもいつもいつもやっている。
レースの時にしかできないこと、それは競うことじゃないのか!?
こんなにもたくさんの、同じ趣味を持つ仲間たちが集まって、同じ時、同じコースを走る。
平等な条件で、タイムと順位が出る。
レースが終われば、仲間としてお互いを讃え合うだろう。
でもレース中は違う!
楽しくなくていい!
結果のために走る!!
広い意味では、それがレースを楽しむことだ・・・と僕は思っている。

残り2~3km。
すっかり存在を忘れていた市役所前の急坂。
前を走っていた選手が歩き始める。
僕も歩きたい・・・
でも、「レースで絶対歩かない誓い」がある。
歩いてしまったら、自分の中の何かが崩れる。
沿道からは声援も聞こえる。
「がんばって!!あとほんの少しだよ!!」
うん。ありがとう。
でもね、そのほんの少しが、遥か先の外国のように思えるのですよ。

腕時計の表示モードはラップタイムから時計に切り替えた。
もうラップはいい。
歩かずにゴールすること。
そして、サブ4達成までの残り時間だけわかればいい。
うん・・・ここから先7分ペースでもサブ4はいけるか。
よし、がんばろう。

ついに陸上競技場が見えた。
あそこに入れば、のこりはトラック300mだ・・・
あー。やっと終わる・・・
その瞬間、左足のふくらはぎが痙攣をはじめた。
筋肉が内側から泡立っているようだ。
それに続いて右足のふくらはぎも。
ヤバイ、、ヤバイ、、足の中に何かいるみたいだ。
次の瞬間にも筋肉が硬直して、顔から地面に突っ込むかもしれないぞ。
あと数百mでいいんだ、おとなしくしてろよ~~

トラックを回り始めた。
スパートしたいところだが、痙攣の恐怖が大きい。
カックンカックンした走り方になっているのがわかる。
あと100m・・・子供たちの姿が見えてきた。

エコマラソン、瀕死で完走

「嗚呼、もう走らなくていい」の顔w

エコマラソン、瀕死で完走

なんとか転倒もせずにゴール。
でももう立てないw

タイム:3時間54分5秒
総合順位:56位
30代男子:14位
宮古勢:8位

あー。去年から約10分、順位で4つしか上がってないぞ・・・
悔しいなぁ。
このままだとテンション下がるから、ちょっとデータいじるか。

去年は順位で上位9.8%、今年は参加者が増えたから・・・6.8%!
よし、まぁよくがんばったとしておこう。
順調に伸びてると思う方が、練習にも身が入るからねw

第六回エコアイランド宮古島マラソン|宮古島の民宿 あがりの宿さんさーら

30分ほど足を押さえてウンウン言ってたけど、やっと立てるようになって記念撮影☆
もうすぐYOMEのお産があるので、次のレースは1月の100km。
今週はいつから走るかなw