連日、猛暑の続いている宮古島。
古民家を借りている我が家は、西日の当たるリビングでは、室温34℃を超える。
ニュースなどでは、「日中の不必要な外出を控えましょう」「家にいるときは冷房を使いましょう」など、熱中症対策が盛んだ。
実際、昼間に100mくらい外を歩くだけで、軽く汗だくになれる。

そんな中、凍らせたペットボトルを腰に差して、日中に30kmも走る僕みたいなのは、少々おかしな人に分類されるのかもしれない。
「いやー、トライアスロンやってる人は違うね!」とか言われたりもするが、明らかに引いてる顔だw

さて・・・
一般的には、超長距離競技(フルマラソン以上の時間と距離を使う耐久競技)というのは、超人的な肉体と根性で戦う修羅の世界・・・みたいに思われている気がするのだが、果たしてそうなのだろうか???
もちろん、僕はそう思わないからこんなことを書いているわけだが。

実際、100kmマラソンを例に取れば、根性でどうにかなるものではない。
むしろ、根性を前面に出す選手の方が、早い段階で体力を消耗して燃え尽きてしまったりする。
根性なんて、ラストスパートのときまで出番はないのだ。
99kmは打算で走らなければ、結果は出ないと思う。

例えば、、炎天下の一人30km走で何を思いながら走るか・・・
走り始めて1kmくらいで、今日の体調がおおよそわかる。
この時点で「ヤバいな」と思ったら、目標距離を短縮するのが賢明。
ここで根性を見せると、熱中症確定。
続いて、天候のコンディションを計る。
宮古は日射しこそハンパないが、気持ちのよい海風が吹くのが救いだ。
この風が極端に少ない日は危険だ。
休憩、給水ポイントを増やさないと、熱中症確定。
そして、1kmのラップタイムを見ながら、次の休憩ポイントまでの体力的余裕をなんとなく考える。
「うーん、いつもはファミマ休憩だが、今日はなんかしんどいから、2km手前のココストアで休むかなぁ」
こういうときに根性見せると熱中症確定。
コンビニで休んで甘いものを食べた後など、後半にも関わらず、妙に身体が軽くなる時がある。
ラップタイムを見ても、明らかに速い。
そういうときは気持ちいい。
が、たいてい長続きするわけではない。
「あれ??ラップタイム落ちてきたぢゃん!!」
とか思って、キープしようとがんばると熱中症確定。

くどくなってきたので切り上げるが、無事に熱中症にならずに帰宅できれば、目標達成!!
経験値ゲット!!

結局、超長距離競技は、身体を酷使することと、いたわることのシーソーゲームではないだろうか。
怪我をしたり、熱中症になったりしながら、自分の身体とメンタルのボーダーラインを理解していく。
ボーダーを大きく下回れば、トレーニング効果はとても小さくなる。
ボーダーを超えてしまえば、トレーニング効果はマイナスになる。
自分のボーダーを理解して、そのギリギリをキープするには、身体への愛情も必要になる。

球技や格闘技に比べれば、陸上競技というのは、卓越した技術も駆け引きもあまり見られない、単調な競技にも見える。
ツラいことに耐え続けた、ど根性選手が上にいくんでしょ、みたいな。
が、技術や駆け引きの世界は、対戦相手との相性、ルールの誤差、時の運などが大きな要素を占めるものだ。
そういう意味では、超長距離の世界はフェアで気持ちがいい。
情報を集め、自分のセオリーを構築し、自分の身体で実験し、セオリーを修正再構築し、それを繰り返して、レースで結果を試す。
そのプロセスの中にいるのだと思えば、炎天下の30km走も、根性とは無縁だし、まして退屈でもないのだ。

さて・・・落としどころが見つからなくなってしまったが、今日はこの辺で。