ちょっと前置きから。
先日書いた入学式の午後からは、「入学祝い」があった。
宮古では、小学校の入学を盛大にお祝いする。
親族はもちろん、ご近所や友達、PTAの人たちなんかもご祝儀を持って家にやってくる。
宮古で生まれ育った人たちは毎年、たくさんのご祝儀袋を持って、新一年生のいる知り合いの家をハシゴすることになる。
もてなす側も、たくさんの料理と酒を用意して、自宅の一番広い場所を使って何時間にもわたる宴席を準備し、入れ替わり立ち替わりやってくるお客様に挨拶しなければならない。
とても、夫婦二人では切り盛りできないのだ。
今回は主に、YOMEの職場の女性たちが手伝いに来てくれた。
加えて、本土から僕の母も。
料理は大皿のオードブルを6台発注。
それに加えて、刺身や汁物、煮物を一人一人に配る。
みぃはお客さんからご祝儀袋を受け取り、ありがとうを言うのが仕事。
YOMEはヘルプに来てくれたみんなと一緒にキッチン。
僕は宴席の接待。

いやー、忙しかったが、楽しかった。
後で聞いた話、移住2年にしてはけっこうな盛り上がりだったそうだ。
子供は宝というが、こっちではホントに多くの人が子供を大切にしてくれる。
肝臓には悪いが、子供には素晴らしい文化だw

ここまでが前置き。
入学祝いだけでブログのネタにしようと思ったが、あいにく写真を撮る余裕がなく、文字だけになってしまうのでやめた。

さて、入学祝いのたった3日後・・・

新築工事最大のイベント、「スラブ打ち」が!

スラブ打ちは、木造建築で言うところの棟上げにあたるらしい。
こちらの鉄筋コンクリート住宅では、屋根を作るために、型枠を組んでコンクリートを流し込むわけだが、それをスラブ打ちという。
そして、上棟式というお祝いがあるように、こちらでもスラブ打ちの日には盛大にお祝いをする。
そう、結婚式に次ぐような規模のお祝いを週に2回主催することになったのだ・・・

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朝6時半、建築中の屋上から。
天気予報は雨だったが、みごとな青空。
雨が降ると、スラブのお祝いはヤバイことになる。
お祝い料理の多くを屋外で作るし、土砂降りになると、スラブ打ち自体が中止になる。
コンクリートが固まる前に流れてしまう可能性があるからだ。

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前日夕方に、急遽設置した炊き出し用テント。
テントは業者が用意してくれる話だったが、炊き出し用は間に合わないとのことで、慌てて部落会から借りた。

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8時頃から、揚げ物と豚汁の調理開始。
今回、誰よりも力を貸してくれたのは、隣の家のKさん。
友達のお母さんでもある。
1から10まで教えてくれたと言ってもいい。
この巨大鍋も彼女が手配してくれた。

大きい方鍋は大人がお風呂にできるくらいのサイズ。

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小さい方でも、子供のお風呂にはなりそうだ。
揚げているのは島豆腐♪
一度に使うサラダ油は8kg!

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刺身用のマグロは25kg!!
友達が朝、港の市場で仕入れてきてくれた。
これで1万円www
このマグロも全部Kさんが刺身にしてくれた。

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僕らが宴席の準備をしているうちに、業者の人たちが工事の準備を済ませ、ついにポンプ車(コンクリートポンプ車)と生コン車(コンクリートミキサー車)が到着。

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生コン車が入れ替わり立ち替わりやってきて、ポンプ車がどんどんコンクリートを流す。

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屋上ではたくさんの職人たちが、ていねいに自分の作業をこなしていく。
自宅兼民宿なので、普通の民家よりかなり大きい。
使った生コンは、なんと生コン車14台分!

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ここまで来たら、あと少し。
最終的に、工事は13時頃終了。

で、僕らの仕事はそこからが本番。
作業を終えた職人さんたちに料理を配る。
おかわりを配ったり、空き缶や空いたトレイを始末したり。
巨大クーラーボックスに大量の飲み物を用意していたが、ソフトドリンクが足りなくなって友達に買い出しを頼んだり。
職人さんたちもビールを飲むと思ってたら、みんなお茶だったのが誤算。
次の仕事があるのか、みんな車で来てるのか・・・・

料理の方はどれも好評。
今回はお店のオードブルを頼まず、すべて手料理。
メニューはすべてKさんが提案してくれたもの。
僕も買い出しはもちろん、前日深夜まで豚汁の野菜を刻んだり、下ごしらえを手伝った。
お客さんに美味しいと言ってもらえるのはうれしい。

職人さんたちが帰ったあとは、ご祝儀や差し入れをもってやってくる知り合いがちらほら。
そして、夕方。
仕事が終わったご近所さんや友達がどんどんやってきて、宴会になる。
もっと写真撮っとけばよかった・・と思うが、主催者のプレッシャーは結構なもの。
まぁ仕方ない。

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完全に暗くなってからは、僕もやっと肩の荷が降りて、みんなと一緒に宴会♪
オトーリあり、三線あり、踊りあり・・・
たくさんの人に、おめでとう、がんばれよ、と言ってもらった。
大変ではあったけど、宮古流でやってよかったな。

いろいろ勉強にもなった。
こういうお祝いは好意で手伝ってくれる人たちが不可欠だ。
身内だけではほぼムリ。
なるほど。ゆいまーるか。
主催者もその身内やヘルパーもお客も、みんなで大切にしていないと、こういう文化は残せないんだろうな。
客も別の日には主催者になるし、主催者も別の機会にはヘルパーになる。
うむ。呼ばれた祝い事にはできる限り顔を出そう。
身近な人の祝い事には、裏方を買って出よう。

それから、料理。
正確な数はわからないけど、多分100人くらいに料理を出したと思う。
これから宿で食事を提供することに、少し自信が持てた。
宿で出すのはせいぜい10人前だ。
厨房と道具とレシピさえ用意すれば、なんとかなるさ。
今回のお祝いで出したKさんオリジナルの「油味噌」、すっごい美味しかったから、作り方教わってうちでも出そう♪

みんな、ありがとう。

今年、いや向こう数年で、一番忙しいであろう1週間が終わった。
次は??
アルコール漬けの内臓を一週間かけて治し、日曜日にはトライアスロンだ!!